声低く語れ


パーティのような場所に行くと、最近どうしてるの?と訊かれることがやはりあって多少面倒だなと感じてしまいますが、まあ普通です。編集者としても(たぶん)順調に活動してますし、プルサーマル・フジコという名義で少しずつ劇評なども書き始めました。これからも書くと思いますのでご注目ください。今のところ、そうして仕事を積み重ねていくことにしかほとんど興味がありません。自分には信じられるもの、信じるに値するものが今あるので、それに向けてゆっくりと歩いていくだけです。そこを裏切らないかぎりにおいて、楽しいこと、面白いことをしていきたいと思っています。


沖縄の騒動を見ていて、その昔、鬼籍に入られた先生に教えてもらった言葉を思い出しました。先生は、竹内好からその言葉を言われたそうで、「……の問題を扱うことは、他人の心に土足で踏み入るようなものだ」というのがそれでした。


それと同時に、もうひとつ、林達夫座右の銘だったという、ミケランジェロの言葉も教えてくれました。「声低く語れ」。

われに慕わしきは 眠ること
さらに慕わしきは 石となること
迫害と屈辱との 続く限りは
見ず、聞かず、なべて感ぜず
それにも まさる幸いは
今のわれには あらじ
されば、われを揺り起こすなかれ
物言うなら、声低く語れ!


まだ学生だった自分にはほとんど理解できていなかったようにも思いますが、今はなんだか実感をもってこの言葉が胸に刺さります。


こちらのブログは、閉じはしませんが、当面はあまり更新しない方向でやっていこうと思っています。元気で生きてるかどうかは、プルサーマル・フジコが証明してくれるでしょうし、劇場でお会いする方も多いと思います。まあフリーになってからもう3年くらい?生き延びてきたので、自分ひとりの人生ならなんとか大丈夫というくらいの自信はあります。