時間堂『花のゆりかご、星の雨』


日曜、時間堂の『花のゆりかご、星の雨』を渋谷ルデコに観に行った。めっちゃ良かった。「存在感」や「世界観」といったものではない言葉であれを表現するとしたら、なんだろう。例えばそれこそ「時間」とか?……黒澤世莉さん5年ぶりの書き下ろしらしく、見事に泣かされてしまったのですが、なのにウェルメイドって感じが不思議としなかったのは、たぶんその「時間」があそこに何層にも積み重なっているからだと思う。観ているお芝居の時間とか、劇中で展開される時間とか、役者さんたちそれぞれが生きてきた時間とか、渋谷ルデコに行って帰るまでの時間とか、それから、あの戯曲が書かれている時間とか。


役者さんはみなさん素晴らしかったですが、ある意味でもっとも違う2つの役を演じた星野奈穂子さんが特に印象的だった。狂言回しをやってる時の口調や振る舞いも素敵だけど、「語らない」美徳の中に生きてる祖母の立ち姿がすばらしく……。観ているこちらの頭の中が涙でいっぱいになって、ほんと頭蓋骨が砕けてなくなるんじゃないかと思った。