タマネギの芯


こないだ、最近ブログが元気ないね、暗いね、みたいなことを言われたのだけど、自分としてはそんなつもりはたいしてなくて、これでもわりと元気なほうだと思います。もし元気ないと見える理由があるとしたら、それは自分の中の「元気でバリバリ!」みたいな要素がtwitterのほうに全部流れていってしまって、ここ(ブログ)にはそうした元気が落ちたあとの最後の残り滓、あるいはそもそも存在しないはずのタマネギの芯、みたいなことになってるから。


それと、もうひとつの理由は、去年は後半、小説を書いていました。ふつうに新人賞に応募するために。なるだけ隠しておこうと思ったけど「文學界」の例のアレですでにその筋の人たちには結構バレてしまったのでもうどうでもいいですが、今年、良い結果が出るといいなと思っています。玉は撃ったし、まだ撃ちつづけるつもり。ともかく、小説を書くことで世界の見え方がずいぶん変わってきた。そして今の時代に小説を書くってことは大変なのだということもわかった。正気の沙汰じゃないよ。とりあえず命も魂も削らないと無理。自分の体験を書きたいとか自己表現したいとか文学が好きとかって程度の気持ちでは絶対つづかないと思う。そういうのと小説はまったく別物だし、しかも現状見ての通りの出版不況で、小説家の存在のありようもかつてとは変容している。単なる憧れのような気持ちで書くのは余程の世間知らずでなければ全然ムリだよ。そういうの全部わかっててなお必要だ、と思うのじゃなければ。……で、小説書いてるあいだはこのブログは完全にそれに奉仕するためのものになってしまうので。そりゃ暗かろう。だけどもう好きに読んでほしいし、読まなくても大丈夫。もっといいものを書いてる無名の人たちはたくさんいます。ぼくに関していえば、twitterのほうがまだナンボかためになること(情報とか)書いてると思うし、あとは作品として仕上げることにしか関心がないので。


さて新年あけてもうすぐ2週間。毎日のように感動することはあるけど、いっぽうでほんとにどうでもいいなーと思うこともたくさんあって、それはやっぱり前にも書いたかもしれないけど「自分が誰とどんなふうに生きていきたいか」というイメージが明確になってきたせいだと思う。今年はそこに関しては迷う必要を感じないので、できるだけ(折り合いをつけながらであるにせよ)そちらのほうに近づいていきたい。まだそれができない、という歯がゆい気持ちはある。でもそれもそんなに遠くないと思うし、別に折り合いを付けるということにさほど苦痛を感じているわけでもない。とにかく結果的に、おれが「いいな」と思う人たちにもっと幸せになってほしいです。そしてそれを、ただ漠然と、理想主義的に、牧歌的に夢想してるわけでももはやないのだ。