コトハジメ


知り合いの編集者に「ブログでも書いてみたら?」と勧められました。それってようするに、「どうせ暇なんだからブログくらい書いとけば? そうでもしないとアンタなんか可能性ゼロよ、ゼロ。このまま他人からも忘れられて、老いさばらえて、最後は焼かれて灰になって宇宙の塵になるのよ」ってことかしら、とあえて悪意的に解釈してみたりして。ただその時は、宇宙の塵になるのって素敵だなと思って、紹興酒をぐびぐび飲んで。吉祥寺のハモニカ横町で。そして、しこたま酔っぱらって。


でもそれから夢を見たのです。なんでもその夢によれば、1年後に、世界の半分が虚無に呑まれてなくなるらしい。夢の中とはいえ、その瞬間に立ち会ってしまったので、かなり、怖い思いをしました。けれども、目が覚めたらもちろん僕は生きている。僕らはみんな生きている。それで、おお生きてるじゃん! すげえ!とか思ってちょっと嬉しくなって、まあブログくらい書いてもいいかなという前向きな気持ちになりました。いたって単純なのです。