熊の場所


以前働いていた地域作業所の旅行に、ボランティアスタッフとして帯同しました。5年ぶりに足を向ける場所。ずっと会いたいと思っていた人たちにも会えて、うーん、なんというか、ようやく自分の失われていた身体半分を取り戻したような感じです。


そこは(主に知的な)障害を持つ人たちが働く喫茶店ですが、いわゆる「人並み」に働けるようになることを目指す職業訓練の場ではなくて、それぞれが存在していることをまず認めて、そこから場をつくっていく、というようなことをやっているのです。なんていう理念的なことを書くとなんだか胡散くさくなってしまうからひとつ具体的な話をすると、5年前、他所からそこに入所してきた時にはオドオドして内気な感じだったメンバーの一人が、久しぶりに会ったら見違えるくらい明るく元気になっていて、すごくニコニコして楽しそうで、それがすべてを物語っているような気がしました。


みんなと別れた帰り道、渋谷駅で男の人が倒れていたのを見つけて思わず助ける。そういうふうに身体が動いたのも、きっとこの小旅行で影響を受けたんだと思います。