『学芸会レーベル』


中屋敷法仁の作・演出による『学芸会レーベル』初日。抱腹絶倒、そして泣ける。中屋敷の劇団・柿食う客におけるサディズムと野心がここではいい感じに中和され、自分たちがまず何よりも楽しもうという精神、まさに「学芸会」的な精神に立ち返った作品。物語の構造はいたってシンプルで、細部のネタや間合いは絶妙。あざとい……が、決していやらしくはない、素朴なというよりは洗練されたピュアネスに、会場からは劇中に拍手が飛び出すほど(僕も思わずやっちまった!)。やっぱ中屋敷は天才だわ〜、と唸ってしまいました。これはヤバい。


会場から「客層として狙った世代はあるのか?」と質問があり、中屋敷くんは「にこにこぷん世代」と答えていたと記憶しているけども、仮に「にこにこぷん」や「タクティクス・オウガ」を知らなかったとしてもこの『学芸会レーベル』はまったく問題なく賞味できるはず。たぶん特定の世代に共有される記憶というものに彼はそこまでの思い入れがないし、あったとしてもここでは出さない。つまり「キレなかった14才♥りたーんず」という主題に対し、『学芸会レーベル』は自分が14才の時の記憶ではなく、もっと普遍的でプリミティブな「14才」に立ち返る。ではその14才はいったいどこにいるのかというと……舞台の上ではなくて、客席の中。そこにはきっと14才のナカヤシキもいて、この劇に泣いたり笑ったりワクワクしたりしているのだ。


「キレなかった14才♥りたーんず」の6作品は高校生以下は1000円で観られるので、中高生もこぞって押しかけるべし。毎日違う演目をやってるよ。



20日(後半)

が、やっぱりふらふら。明日は徹夜が確実なので、今日は帰って眠ることにする。途中下北沢で、賢策さんと仲俣さんにばったり会って「寝たほうがいいよ」と言われた気がするけどあんまりよく覚えてない……。