いつまでも沈黙してらんないよ


正直言ってちょっと元気がなかったのである。


というのは、先日のトークが、好意的な感想もたくさんいただいたし、客観的にいえば首尾良く終わったにも関わらず(少なくとも演出家たちにとってはそうだろう)、どうにも自分自身として不全感が残ってしまい、それが尾を引いてしばらく寝込み、でも起きて仕事する、また寝る、みたいな生活をしていた。トークの手際云々の話ではなく、それに付随することで、これはもっと深刻な、大げさにいえば現代社会の(人間の)暗い一面をのぞき見てしまった気がして、そのことに落ち込んでいたのだった。おまけにブログに何を書いても、誰かに対して失礼に当たるような気がしてしまう、というどん詰まり。手詰まり。昨日は代々木公園のタイフェスティバルに行った。今日はかつての同居人のすばらしい野外結婚パーティがあって、はるか野川公演まで出かけていったのだ。それはほんとにめでたく、かけがえのないひとときだったのだが、とはいえどこかしら心が完全に晴れやかでないのは、やはり煮え切らない気持ちが残っているためだったろう。おまけにタイフェスティバルで買ったカレー粉にはすべてシュリンプペーストが入っていやがった(俺はエビが食べられないのだ……)。思ったことについては全部土佐さんにメールを投げた。今はその返事を淡く期待しているところです。(でも別に、それはもういいのです)


それで、今日は完全オフにしてやろう、と思ったのだけど、ブログに書くこともないし(書けないし)、とはいえ本を読んでも集中力にかけるし、今手元に映画はないし、ラジオを聴く気にもなれないし、漫然と音楽を聴くばかり……という体たらくで、なんとなく手持ちぶさたになってしまい、結局かねてから懸案になっていた仕事に着手した。何人かの人とメールのやりとりをした。


そしたら不思議なことにちょっと元気になってきた。光明、というと大げさだろうか。今や、自分のとるべき道はかなりはっきりと見えている(はず)。少なくとも、そう思い込むことができるくらいには元気だ。よっしゃ。それにしてもなんだろう、この根拠のない手応えは……!(そしてこの闇雲に無根拠な自信がなければ、明らかに俺は二十代の半ばにして野垂れ死んでいたに違いない)