五反田君は爽やかに


今夜はホテル泊なのだ。で、BSを久しぶりに観たら中高時代の同級生がニュースを読んでいた。たぶん、「五反田君」をテレビで観てる「僕」の気分はこんな感じだろう。原稿を脇に寄せるタイミングとか、完璧なアナウンサー的身振りをモノにしている。昔から、何考えてるかよく分からなくて怖いところがあった。でもたぶん、いいやつだと思う。明るい下ネタが好きだったから。


今日は町なかで、神里くんそっくりの緑色のTシャツを着てる人を発見した。あと白神ももこ似の中学生がぎらついた目で自転車を漕いでるのを見た。後者は単に、全体的にほわんとしてそうなくせに目つきが悪くてふてぶてしいのが妙にアンバランス、というだけのことで、前者にいたってはただただ緑だった、というだけなんですけど。たぶん鰰(hatahata)のメールマガジンを愛読しているせいで、サブリミナル効果的に神里&白神の存在が脳裏に刷り込まれているのだろう。怖い怖い。その鰰のメルマガは、昨日くらいから小説の連載が始まっていて笑える。日々における一抹の清涼剤のようだ(おっと覚醒剤じゃないよ)。でもなんですか「ぽろりの歌」って(笑)。ウェブサイトでは往復書簡も始まっていて、こちらは結構真剣とゆうか、おもしろい。本公演まで8ヶ月もあるけど、どうなっていくのかしら。
http://hatahata.sitemix.jp/


で、神里くんが以前選書として挙げていたせいか、坂口安吾が読みたくなった。というかこちらに来る前に本棚から『堕落論』を引っつかんでカバンに入れてあったのだった。本はだいぶ売り払ってしまっていて(多くは生活のために、涙)、なのになぜ『堕落論』などという、どこの古本屋にでも置いてそうなメジャーな本を後生大事にとってあったかというと、「売ってもどうせ2、30円にしかならないだろう」と計算したからに違いない。ああ、その浅ましい打算がまた哀しい。でも結果的に、このタイミングで安吾と仲良くなれそうなのは嬉しい。


そういえば昔、『堕落論』が愛読書だという青年にルームシェアの話を持ちかけられたことがあった。しかし彼はその後一度うちに遊びにきて、「流しがあまりに汚いから一緒に住むのは無理だと思う」と言ってきた。ぼくは軽く傷ついた。(当時は自炊を全然しなかったからであって今は違いますよキレイですよ。)その後、某有力議員の秘書になった彼は、きっと月末の衆院選に向けて、鼻息を荒くしていることだろう。思えば彼も2番手ポジションな人だった。でも花のある人、前面に出てる人よりもずっといろいろ考えてたんじゃなかろうか。とりあえず「政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。」という一文で終わる作品を座右の書に挙げながら、にも関わらず政治の道を志したというその心を、今度会うことがあれば聞いてみたいものです。