うきよ


ああ、また観たかったお芝居を見逃した。


体力ほぼゼロのなかで、なんとかシモキタまでいってビデオ(DVDに非らず)を借りてくる。というか返しにいったついでに借りたかったものを借りる。貴重な資料(飼料)だ。雨が寒い。ついでに食糧や薬など買い込んでくる。


何年かぶりに観たその映画はつねに緊迫感があって目が離せなかった。映画にかぎらず、今の日本でこうした表現をすることはたぶん不可能とまではいわないが難しいだろう。すぐそこに危険が迫っているという認識は。「爆問学問」で歌舞伎の河竹登志夫が、「浮世」と「憂世」の話をしていて、今の日本は「浮世」でしょうね、でもその下には……というような話をしていた。映画の主人公はラストのほうで本当に浮かれていた。そして危険に気づかなかったのだ。


昨日よりはいろんなことがよくなっている。でも「よくできました」なんてものは自分は全然求めていない。もっともっとカラッポにしなくてはいけない。うう、泣きたい。嘘でもいいから泣きたいのだが。