15 minutes made


若手劇団のショーケースのような作品集。15分の作品で参加するという芝居。それによって観客と団体、団体と団体の出会いをもくろんで、6劇団を集めての公演なのだが、これが良かった。観に行ってとても良かった。アフタートークの雰囲気も含めて、劇場に人を集めて、そこで上演する、ということをよく考えてやってる企画だなと思う。うち2本は今回はお笑い、と考えてもいいだろう。これは観に行って損はないし楽しい、ほんとに。余程のことがないかぎり、次の15 minutes madeも観に行くと思います。今回volume7の各作品についてさらさらっと書いてしまうと……

ゲキバカ

美術や映像に頼らず、基本的に身体のみでいかに状況を表現するか、にチャレンジした作品。アフタートークによれば、ピエロのメソッドを使ったとのこと。なるほど! スパイ大作戦とルパン3世が好きな人(it's me!)はハマるはず。そしてトークに出てた西川康太郎氏は非常にクレバーな感じで好感を持った。いいなあ、あの人。
http://www.coffee-milk.com/

こゆび侍

やっと観た。佐藤みゆきさんが出てなかったのは残念だけど、でも設定はSFというか特異。なのに卒業写真みたいなのを取り出すのは面白い。ベタな展開といえばそうだけど、うるっときた……。すみません失礼な言い方ですが、あの少し太られた方、良かったです。涙が切実でした。あれがもっと作品が長い時間になって、皮肉な目線が入り込んできた時にどう耐えられるのか、というあたりをいつか観てみたい。
http://koyubi.chips.jp/

モエプロ

なんなのこれ(笑)。「モエプラス」という作品名で、いやー、内容について喋れない(というか一行で喋れる)けど、これが意外にすごく良かったのでびっくり。うーむ、初音ミクとか、要するに人間じゃなくてもいいんじゃないの問題というのはあるわけだけど、萌えアニメの定番ストーリーを人間がやったらどうなるか、ということで、人間がやるとすごくグッとくる、というのが本日の結論。栃木彩理さんですか、ツンデレな女の子が、肝心なところでしっかり紅潮するのが素晴らしい。ほんとに赤かったんだよ! しかし馬鹿馬鹿しい話なのに、観ていてイヤな気持ちにならない。うっかり、キュンとしました。でもこれは本当に、生身の人間がやるからいいんだよ。
http://www.moepro.net/

国分寺大人倶楽部

一瞬、ポツドールを思わせるような若者の際どい展開。でもそれが実は……というこのネタはとても面白い。ただそれが、長時間になって耐えられるのか? そして他の作品はどうなのだろう? という疑問もないではない。しかし短い時間の中で判断するかぎり、役者のレベルはかなり高い。正直な話、マジでエロかった。ちょっと我が身を心配した。何気ないところに光るものがたくさんあった。とにかく実にうまい。
http://www.geocities.jp/bunji_adult/

夜ふかしの会

コント集。いやー、アゴがはずれるかと思うくらい笑った。現実に対して何か一発かますのがお笑いだとぼくは思うので。その意味で痛快。
http://www.yofukashi.jp

Mrs.fictions

できればもう一度今回の作品を観たいのだけど、15分だと少し短すぎる題材のような気がした。ある女が旅に出る、のだとしたらそこに溜め込むものがあるはずで、それが果たして15分でどれだけ溜まるのか……。役者入場時の演出なども必然性があるのかどうか疑問だが、とにかくもう少し時間が欲しい、と思うような劇ではあった。
http://www.mrsfictions.com



ちなみにぼくは、すべて未見の劇団でした。15日まで池袋シアターグリーンにて。


http://www.mrsfictions.com/nextstage.html