移籍とか


なんかこの時期になると欧州の移籍市場が活性化するわけですが。あ、サッカーのです。で、いろいろ記事を読んでると、移籍金が数十億円とかってことがやっぱり華やかな話題になるんですけど、実は金の問題だけじゃないってことも思うわけです。



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われわれ素人にはJリーグの各クラブが抱えるスカウトがどうなってるのか皆目検討もつかないのですが、資金の過多の問題もさることながら、人脈や交渉力や平たく言えば「見る目」みたいなのがあるかどうかってのが大きいんじゃないかってことを思う。欧州はなにしろEUですから、国境を越えた移動も日本に比べれば全然あって、すでに移籍市場もEUを舞台に活性化しているわけなので、人的なコネクションはそれこそ無数にあるのだと推測されます。かたや日本が欧州とコンタクトをとるとなると、時々親日派のオーナーが欧州のどこかのリーグの二部クラブとかに現れてそれで海外に選手が招聘されるとか……とか、って書いたけど実質ほとんどそれしかないわけで、逆に欧州の優秀な現役バリバリの選手がJリーグに来ることはほとんどなくなってしまった。そりゃ初期のJリーグだって、やってきたスーパースターたちはほとんど盛りが過ぎていたかもしれない。でも、レオナルドやピクシーやドゥンガが日本に果たした役割たるや、はかりしれないわけです。(ちなみにレオナルドはACミランの監督になったし、ドゥンガはブラジル代表の監督ですよ言わずとしれた)


ところが今では、そういった選手が日本にやってくる可能性はほとんど皆無に近い。Jリーグがドメスティックなところから抜け出せるとしたら、可能性としてはオシムのように監督として優秀な人を呼ぶか、中村俊輔のように経験を積んだ選手を呼び戻すか、あとはアジアの移籍市場にどんどん参入していくしかない。アジアの市場に関しては出場選手枠の変更などもあったのでこれから活性化すると思うのだけど、とはいえそこで見込めるのは結局のところ優秀な韓国人の若手選手を欧州にさらわれる前にいかにして引き抜くかということであって、活躍の場にしても若手を育てる環境にしても、そして交渉能力に関しても、大きく水を空けられている感じがする。あとこういった交渉ごとに選手もクラブも代理人(エージェント)もメディアも慣れてるって感じがする。↓


http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20090604-00000005-spnavi-socc
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=worldsoccer&a=20090604-00000010-spnavi-socc


べつに、呼べばいいとは思わないけど、今回だったら、ユベントスと契約延長したネドベド(引退撤回)もフィーゴ(引退)も日本に呼べたんじゃないのかしら。日本のサッカーのレベルはたしかに全体的には向上してるんだと思うけど、選手にとって所属先として魅力的に映らないのだとしたら悲しい。というか、ほとんど認知されてないんじゃなかろうか。




まあなぜ、こんなこと書いているかというと理由はいろいろあるんだけど、引き金になったのは昨日のナビスコカップで2ゴールを挙げたカボレというブラジル人がFC東京にいまして、彼のプレースタイルは好きなんですけど、その勝利コメントで次の試合について語っていて、「清水は強敵だが、勝つチャンスはあると思うので頑張りたい」とあって、それは「ええ〜!?」っていうか、そりゃたしかに清水に勝てるかどうか今のうちではイーブンだけど、でももっと志を高く持てよ! 君はあのブラジルからやってきたんだろう! と言いたいのであった。なんか日本にいるとそういうふうに優等生コメントをするようになっちゃうんでしょうか。「は? シミズ? さあ、よく知らないけど僕の敵じゃないね。次郎長親分が出てくるなら別だけど、ふっふ」くらいの余裕をかましてほしいです。


こんなことを世界の隅っこでぶつぶつ言っててもしょうがないんだけど、とりあえず、カボレは頑張れ。