湾岸の「若者」


NHK「多元ドキュメント 夏・東京湾岸24時」が面白かった。お台場の学生寮に住む外国人留学生の話が出てきたけど、僕の友人のDさんもかつてはあそこに住んでいて、それがイヤで下北沢を好んでうちに住んだのだった。でもその一方でこの番組によれば、湾岸地域を愛している人たちもいる。そこが面白い。実際あのあたりの異次元空間っぷりはすごいと思う。今は、のりピーもいるし。


でもなー、すごく惹きつけられるいい番組だったけど、NHKの「若者」を取り扱う手つきには、なんだかいつも違和感が残る。突然、「若者」のまっすぐな純粋なものをぽーんと投げつけられるというか、ほんとに、そんなに純粋なものかよそれは???という違和感。もっと矛盾があって、その矛盾こそがその人間の本質というか、正体であるような気がするのだが。とりわけ若い時にはその矛盾が曖昧で、ふらふらしていて、頼りない。ピシッとした線を結ばない。だからなかなか定型化できない……と思うんだけど、「番組」を作る以上どっかで「切る」必要があるというのもわからなくはない。でもその「切り」方はどうなのか? もちろん、「切った」先はちゃんと想像できるようには作ってある。そこらへんの倫理観は感じる。だからそれ以上のものを求めてしまう、こっちのメンタリティのほうがどうかしてるのかもしれない。「切った」先のもう一歩、を提示する番組ではないんだろうから。うん、そう、ものすごく想像させるように作ってあるんだよね。だからこそ逆に物足りなさというか、吸引力があるのかもしれないし。まあいいや。面白かったです。それだけ!