堕落について。


しかし率直にいって、ここ数日、言葉を書くということにかんする絶望感が増しつつある。すべて、言葉というものを奪い去りたい衝動というか。とはいえ、何かを観て、湧いてくるものが言葉であるということもまた事実であって、ようは、それを、しかるべきところに収めきれていない、という感覚が、あるのかもしれない。そして、言葉はすべての物自体にとって、たんなる邪魔者ではないか、という疑いも生じる。


だがなんだろうな。自分としては、ただ、嘘をつきたくないということだけだ。


ふと、思うのだけど、批評というものと、書くことに伴うある種の快楽と、それから世間的な評判や宣伝効果といったものは、本来まったく別のものなのかもしれない。ところが、それらがごっちゃになってしまって、それで全体に、批評の衰退、みたいなことが、なし崩し的に進行してしまうのかもしれない。


今回の第二期エクス・ポをつくっていて、非常に安心していられるというか、信頼できるのは、前パブをやらないことにしている、という点で、つまりは直接的な宣伝媒体としてはほとんど役に立っていない、という点にある。宣伝、という感覚に支配されてしまうと、いやおうなく商業主義的なこととか、悪い意味での読者の顔なんかが見えてきてしまって、中身のクオリティが、こういう言い方は適切ではないかもしれないが、堕落する。


その堕落は避けたい。


もうたぶん、仕事をする方向とか、見てるものとかが、前とは違ってきてる。