三つ数えろ


ツンデレである……ってのはハワード・ホークス監督『三つ数えろ』のローレン・バコールが。しかも嘘つきである……ってのはだって、最後の最後まで、彼女は本当のことを言わないから。にも関わらず、ハンフリー・ボガード演じる私立探偵フィリップ・マーロウはそのウソをすべて見破ってしまうという、でも観ているこっちはローレン・バコールのウソ情報しか知らないから推理がほとんど不可能なのでした。


背中を見せたら終わりな世界、のわりに、結構マーロウは隙だらけに見えて、よく生きてられるなーと思うんですけど、その隙があってデンジャラスな雰囲気があれだけモテる秘密なんでしょうか? マーロウがモテる理由ってのが映画の中で納得のいく形で示されていないのに、アプリオリに「モテる」ってことに設定されていて、それはつまり冒頭のイカレた色情女カルメンの「まあ、あなたって、背は低いけどハンサムでキュートな人ね」的なセリフだけでそう説明されちゃってるという、そういう強引なやり方もありといえばありなんですねー。


三つ数えろ [DVD] FRT-013

三つ数えろ [DVD] FRT-013