レビュー

工藤里沙『FLying Boat Float』

イメージフォーラム3Fの「寺山修司」(←ハコの名前)で工藤里沙の短編映画『FLying Boat Float ー飛行艇、浮かぶー』を観ました。いやー、本当にすばらしい! ダメ男くんがいて、美女がいて、ヘンなおじさんがいる。美女は早世してしまって、ダメ男くんはフ…

とあるオーディション

ぐるぐるぐる くるくるくる くくるるるー はにゃーん どどみのっ! 人が殴りかかってしかもそれをコンマの差でかわすのとか観た。 人間の可能性、まだまだあるね、いけるね、 ロボットになる前にまだ全然やることあるよ。 才能とはつまり出会いによって引き…

モンティ・パイソン

友人のmixiにモンティ・パイソンの哲学者サッカー(ドイツVSギリシャ、笑)の動画URLが貼ってあって、あまりに面白かったのでモンティ・パイソンの動画をYouTubeで拾ってみた。こちらは恋人の甘い一時に次々と乱入者が現れるという話の日本語吹き替え版。と…

セックスと哲学

自称詩人でダンス教師の男が、40歳の誕生日を迎えるのを機に、4人の恋人たちを自らのダンススタジオに集める。当然4股をかけていたことはバレるのだが、男は平然とした顔で女たちを宥めながら、彼女たちとの出会いを順番に感傷的に振り返っていく……。 今や…

アリス

チェコアニメの巨匠ヤン・シュヴァンクマイエル初の長篇作(1988年)。いうまでもなく『不思議の国のアリス』を下敷きにしたもので、実写とアニメーションとを融合させたつくりになっている。 全体的なトーンは暗いし、仮にそこだけを取り上げれば不快と感じ…

ネオ・トロピカリアほか

東京都現代美術館で開催中の「ネオ・トロピカリア ブラジルの創造力」。同時開催で、藤原大+イッセイミヤケクリエイティブルーム&カンパナブラザーズによる「COLOR HUNTING in BRAZIL」と、さらに森山大道&ミゲル・リオ=ブランコの写真展「共鳴する静か…

不思議惑星キン・ザ・ザ

冷戦時代の旧ソ連で大ヒットしたといわれるシュールなSFコメディ。水の枯渇した砂一色の世界だが、法秩序体系や倫理や科学技術の有り様がきわめてアンバランスで、とにかく全体的に汚らしい雑駁な感じで包まれている。素晴らしいよキン・ザ・ザ! でもぜった…

キャンディ

テリー・サザーン原作、クリスチャン・マルカン監督で1960年代末に製作され、70年に公開されたコメディ映画。ひとくちでいえば、ロリータ少女が変態オヤジたちに襲われ続けるセクシャルハラスメント・ロードムーヴィー(笑)。 なにしろキャスティングがすご…

柿喰う客『いきなりベッドシーン』@王子小劇場

基本的にネガティブなものは遠ざける方向で日々を過ごしているのだけど、どうもここ数日は闇を見てしまう傾向があって、困ったものです。本当は自分、ネクラなのではないかと思ったりもする。楽天的で軽薄なのはきっと世を忍ぶ仮の姿なのだ……。とかとか、ま…

ハイバイ「オムニ出す」

ハイバイの「オムニ出す」@リトルモア地下は、結局仕事のために最終日の「落/星」を見逃すことになりました。かなりくやしい。「常/仏」は昨日当日券で観て、そしてなんとなく流れで打ち上げに混ぜてもらって朝まで居座ってしまったのですが(ほんとはそ…

He+Me=2第二号

仕事しようと思って下北沢の音楽喫茶イーハトーボに行ったらミニコミ「He+Me=2」の第二号が出ていた。僕も「読者の感想」として短いコメントを寄せているのですが、周囲のクールな感じから浮いてて結構恥ずかしいかも。まあそれはいいとして、前回にも増して…

サンプル「家族の肖像」

傑作と評判のサンプル「家族の肖像」を観てきました。劇を観た後に、ドラマターグ・演出助手の野村政之さんが編集している「家族の肖像」ブログも全て読みました(9月1日現在公開分)。ドラマターグという職業について私は詳しく知りませんが、どうやら演…

『ポケットは80年代がいっぱい』

そういえば先週たまたまテレビをつけたらサンデープロジェクトに東さんが出てて、おおっ、と思ったらメンバーは櫻井よしこ、姜尚中、香山リカ、東浩紀に司会が田原総一朗という異色の組み合わせで、東浩紀が喋るとテロップに「新進気鋭!」とか書いてあって…

崖の上のポニョ

忙しすぎてそれどころじゃないんですけど、「崖の上のポニョ」を観てきました。もともとツッコミどころは満載なのだし、細かいことは言いません。でもやっぱり思わざるをえなかったのは、ポニョには「父」も「母」も要らなかったんじゃないの、ってことでし…

ビューティフル・ルーザーズ

「ビューティフル・ルーザーズ」についてLilmagの野中モモさんがブログに書いていて、少し安心したというか、してしまったというか、実はちょっと前に私も観たのだこの映画。で、こういう世界もあるのか、面白いなあ、という気はしてテンションは上がりかけ…

カナダのドキュメンタリー映画

ちょっとあまりに多忙ですがひとつだけ。アテネフランセで金、土と上映中のNFB/ONFドキュメンタリズムの上映企画、今日いってきました。観たのは、Aプロ、Bプロのみでしたが全部観たかった。ピエール・ペロー&ミシェル・ブローの「世界の存続のために」は素…

続・ハイバイの「て」(未完成)

かつての上司に演劇狂いの人がいて、東京に住んでるわけではないから週末に一日3本くらい固め打ちで演劇を観るという生活をここ何年も地道に(しかし凄まじい投資のもとに)続けていて、最近ではどうも少しずついろんな媒体に演劇評を描き始めているらしい…

ハイバイの「て」

下北沢駅前劇場にハイバイの「て」を観に行きました。まだ月曜まで公演があるので詳しい話はしませんが……ほんとにすばらしい。ぜひ多くの人に観てほしいと思います。事前の知識はまったく必要ないでしょう。(公演情報は以下に。) http://hi-bye.net/ 観終…

「片腕マシンガール」

水曜日、京橋の映画美学校で「片腕マシンガール」の試写を観ました。これはすごい。ってか、すげえ。やっちまってますね。予告編にもあるとおり、冒頭いきなり「蜂の巣になれーっ!」って叫んで女子高生役の八代みなせが銃を乱射するんですけど、まあふつう…

快快「ジンジャーに乗って」

こないだ観て、すごく感動して、もう絶対オススメしたい! と思ったけど時の流れるままに数日が過ぎちゃった演劇。こんどの日曜まで王子小劇場で演ってるんで、まだ観てない人は、ぜひ行ったらいいと思います。「小指値」改め「快快(ファイファイ)」の「ジ…

「今夜、列車は走る」

ユーロスペースのレイトショーで「今夜、列車は走る」。脳天を弾丸で撃ち抜かれたような衝撃を受けました。といっても、アルゼンチンの悲惨な現実に涙を流した、とかそんなことじゃなくて。ストーリーとしては、廃線になって職を失った鉄道員たちの転落人生…

「パーク アンド ラブホテル」

今日は人間として立ち直り、朝から活動。ユーロスペースで「パーク アンド ラブホテル」も観ました。ラブホテルの屋上が解放区になっている、という設定に日比谷カタンという組み合わせがツボで、もうずっと前から観たい観たいと思っていたのです。そういえ…

論座に思うこと

エクス・ポと路字の発行がともに隔月で、しかも周期がぴたりと一致していて、それで前回はエクス・ポ(の一部)に路字を封入してもらったりしたから、「わーい」なんて脳天気に喜んだりしてたんですけど、いざ両方の編集をやるとなると、これ今回はちょっと…

ペドロ・コスタ監督特集

5月にイメージフォーラムで公開される新作「コロッサル・ユース」に先駆けて、3月20日から28日までアテネ・フランセ文化センターで行われたペドロ・コスタ監督特集。「骨」を見逃したのは痛いけれど、数日間で「血」「溶岩の家」「ヴァンダの部屋」「…

3.22「全共闘世代VS自分探し世代」@阿佐ヶ谷ロフト

3月22日に行われた阿佐ヶ谷ロフトでの「全共闘世代VS自分探し世代」のイベントについて、ロフトの平野悠さんがブログに「反省」を記しています。イベントの模様を収録したDVDを見直しているほどで、いかに、平野さんがこのイベントに力を入れていたかを伺…

ブルーベリーな彼女

ウォン・カーウェイ監督の「マイ・ブルーベリー・ナイツ」を観る。ノラ・ジョーンズの出演で話題(?)になっている、スタイリッシュな恋愛ロードムービー。色彩感覚と音楽は楽しいのだけど、肝心のブルーベリーパイが……。空腹時に観るといいのかもしれませ…

「ダージリン急行」

昨日は長い日記を書いてみたのだけど不調というか過剰のためにお蔵入り。あ、「接吻」を観ました。これは、すごい、とだけとりあえず。今日は早起きして快晴!なので洗濯物を干して新宿へ、ウェス・アンダーソン監督の「ダージリン急行」を観る。藤原帰一、…

「ニッポンの小説はどこへ行くのか」文學界4月号

今月の文芸誌の目玉企画とも言える文學界4月号の11人大座談会「ニッポンの小説はどこへ行くのか」。メンバーは岡田利規、川上未映子、車谷長吉、島田雅彦、諏訪哲史、田中弥生、筒井康隆、中原昌也、古井由吉、山崎ナオコーラ、そして司会が高橋源一郎。…

山賊ジュリアーノ

今日は渋谷で奔屋の未来を左右するような大事な打ち合わせ。終了後、相棒小西と「なぎ食堂」で作戦会議。ベジタブルな料理がとても美味しかった。オーナーの小田昌房さんにお会いして、路字を手渡し。貴重なお話も聴ける。さらに「Sweet Dreams」という雑誌…

チェルフィッチュ「フリータイム」

演劇というものは敷居が高いと思っている/思っていた。シネフィルよろしく演劇フリークの(ゆるい)共同体というかサロン層があって、彼や彼女たちが、彼や彼女たちにしか分からないような参照系の言葉で演劇を語り合っている(という偏見があり)、そのつ…